Entra ID を組める会社であれば、そちらでも Windows のログインを多要素認証にできます。アプリップリキーが向いているのは、それが現実的でない会社です。 Microsoft Entra ID(旧 Azure AD)にパソコンを参加させると、Windows のログイン自体が Entra ID のアカウントになり、Windows Hello for Business と組み合わせれば多要素認証として扱われます。仕組みとしては成立します。 ただし、そこまで持っていくには、パソコンを Entra ID に参加させ直し、社員のアカウントを Microsoft のアカウント体系に移し、条件付きアクセスを設定する必要があります(条件付きアクセスには Entra ID P1 以上の有料ライセンスが必要です)。既存のパソコンは設定し直しに近い作業になり、ローカルアカウントで使っているスタンドアロンのパソコンや、社内のサーバー・オンプレミスの Active Directory だけで動いている環境は、そのままでは対象になりません。情報システム担当者がいない会社は、ここで止まります。 アプリップリキーは、いまのパソコン、いまのアカウントのまま、ソフトを入れるだけです。PC1台から、最短5分。アカウント体系も、クラウドの契約も変えません。Microsoft 365 をお使いの会社でも、パソコン側だけアプリップリキーにするという使い分けができます。
Windows Hello(顔認証・PIN)を使っています。これで多要素認証になりませんか?
パソコンを開く速さは同じです。違うのは、「誰がいつ入ったか」が残るかどうかです。 Windows Hello for Business は、Microsoft 自身が2要素認証と説明している仕組みです(端末のなかの鍵と、PIN・顔の組み合わせ)。「ただのパスワードの置き換えで意味がない」というものではありません。 ただし2点ご注意ください。1つめは、Windows Hello for Business は Microsoft Entra ID や Active Directory と組み合わせて使う仕組みだということです。IDを管理する仕組みを持たない単体のパソコン(ローカルアカウント)でお使いの顔認証・PINは、この構成にあたりません。社外に「多要素認証を導入しています」と説明する場面では、ここを問われることがあります。 2つめは、認証がそのパソコンの中で完結することです。誰がいつログインしたかの記録は残らず、不審なログインがあっても誰も気づきません。 アプリップリキーは、認証に手元のスマートフォンという別の機器を使います。そのうえで、アクセスログの記録・不審なアクセスの検知・自動IPブロック・ご本人のLINEへの通報までを行います。パソコンを開く速さはワンタッチで変わらないまま、「記録と気づき」が増えるのが違いです。
パソコンを使っているご本人の LINE に、約1秒で届きます。 不正なログインや不審な操作、脅威を検知すると、その場でリアルタイムにお知らせします。「気づいたときには手遅れだった」を防ぐための機能です。 通知先は、そのパソコンにログインするご本人が、ご自分で設定します。ほかの方の LINE に、別の方の通知が届くことはありません。ご自分のパソコンで起きたことを、ご自分がいちばん早く知る形になっています。
不正アクセスの多くは、「本人のログイン」です。 攻撃者は、どこかで入手した ID とパスワードを使い、本人として堂々とログインします。本人の ID とパスワードで入ってくるため、システムから見れば「正しいログイン」にしか見えません。ふだんと違う場所からのアクセスを検知する仕組みはありますが、入り口そのものが正しい鍵で開けられている以上、見抜くのは簡単ではありません。 ここで効くのが二段階認証(2要素認証・2FA・多要素認証/MFA)です。ID とパスワードが漏れたあとでも、もうひとつの確認を通れるのは本人だけだからです。 Microsoft が Azure Active Directory の実データを分析した研究では、ID とパスワードがすでに漏えいしていたケースでも、多要素認証によって侵害のリスクが 98.56% 下がったと報告されています(全体では 99.22% の低下)。出典は Microsoft Research「How effective is multifactor authentication at deterring cyberattacks?」(2023年・arXiv:2305.00945)です。 アプリップリキーは、この二段階目をスマートフォンのワンタッチにしたものです。くわしくは詳しい二段階認証のページをご覧ください。
Windows 10 / 11(64bit)以降、Windows Server 2016 以降に対応。スタンドアロン・オンプレだけでなく「仮想」「クラウド」にも対応しています。ログインを保護できるのは Windows のみで、macOS・Linux には対応していません。なお、認証に使うスマートフォンアプリ「applippli Authenticator」は iPhone(iOS)・Android の両方でご利用いただけます。
Mac(macOS)でも使えますか?
現在は Windows 専用です。Mac(macOS)版のリリースは行っておりません。 ご利用には Windows のパソコンが必要です。対応している Windows のバージョンは、ひとつ上の問答をご覧ください。なお、2つ目の要素としてお使いいただくスマートフォンは、iPhone・Android のどちらでも構いません。
Active Directory がありません。ワークグループ環境でも NIST SP 800-171 の多要素認証を満たせますか?
はい、満たせます。アプリップリキーは Active Directory も専用サーバーも必要としません。パソコン1台にインストールし、お手元のスマートフォンを登録するだけで、Windowsのログインがパスワード(知識情報)とスマートフォン(所持情報)の2要素認証になります。ドメイン環境でもワークグループ環境でも同じように動作します。
いいえ。最新版(Rev.3)の要件 03.05.03 の原文は「Implement multi-factor authentication for access to privileged and non-privileged accounts」で、ローカルアクセスとネットワークアクセスの区別そのものがありません。ひとつ前の Rev.2 の要件 3.5.3 は「Use multifactor authentication for local and network access to privileged accounts and for network access to non-privileged accounts」で、特権アカウントについて local access(ローカルアクセス)が明示されていました。どちらの版で見ても、そのパソコンの前に座って行うログインは対象です。社内のパソコンだから対象外、ということはありません。アプリップリキーはWindowsのログイン画面そのものを多要素認証にするため、このローカルアクセスを直接カバーします。
なぜ日本の会社が、アメリカの基準への対応を求められるのですか?
多くは防衛関連ではなく、日常的にお取引のある大手企業・上場企業からの要請です。自社のサプライチェーン全体に同じ水準を求める動きが広がっており、その際に ISO 27001 や国内の基準ではなく、アメリカの NIST SP 800-171 が名指しで指定されることがあります。背景には、米国防総省の調達先に適用されてきたこの基準が、「下請・再委託先まで同じ水準を求める」という考え方とともに広まったことがあります。日本でも防衛装備庁が2022年3月に策定した「防衛産業サイバーセキュリティ基準」が同等の水準を取り入れ、2023年度の契約から適用されています(第三者認証ではなく契約の特約条項で、下請・再委託先にも要求が及びます)。